*Complex+Drive*

勝手に上から目線の、真っ黒な。

じゃあどんな会社が理想的なんだってばよ。

前回の記事で“自分に合った会社なんて存在しない”と書いたけれど、自分で書いておいて何だか腹が立ってきた。そりゃ「何もしなくても毎月1億円振り込まれる会社」とか「イケメンに囲まれてちやほやされる会社」とかだったらそう簡単に存在しないだろう。(有り得ないとまでは言わない。)しかしながら【仕事を覚えて、社会の役に立って、対価として給料をもらいたい】という、ごく普通の勤労を願う者が理想とする会社ぐらいごまんとあったっていい。否、あるべきだ。

 

そんな訳で、転職したばかりの私が抱えている不満をぶちまけながら、理想的な会社について考えてみたい。

 

先輩が教えてくれるなんて嘘だッッ!

実質、正社員としての職場は現在で3件目です。なので2回の転職を経ての結果論ですが、未経験でも先輩がついて教えますので大丈夫ですと書かれていて大丈夫だったことは何一つありません。そもそも“教える”という行為は特殊技能です。PCスキルや文章作成スキル同様に、教えられる私たちのレベルもバラバラなら、教える先輩のレベルもバラバラです。そして大概の人は教える時に自分が教えられたとおりに教えようとし、そこに何の疑問も持ちません。本来であれば、教える側の人間こそ“教え方”を学ぶべきはずなのに、です。(教えられる側のマナーにも然るべきものがあるのは承知してますが、今回そこは問題視しないことにします。)

実際、前会社の先輩も現会社の先輩も教えるのがクッソ下手です。現会社に限って言えば、ある意味先輩は“天才肌”タイプとでも言うのでしょうか。入社日に触ったことのないソフトの使い方について教わった時はこんな説明からスタートしました。

 

「これとこれを押しながら矢印キーでコピー。これとこれだと移動。吸着モードにしておけば勝手に点を拾うから、こうこうで壁が出来て、これは内寸だから壁の厚み分50移動して…」

 

この教え方で抜けている点は多々あります。例えば

  1. 何の為にこのソフトを覚えなければならないのか。
  2. このソフトを使って完成するものは何か。
  3. ツールバーやアイコン、レイヤの使い分けについて。
  4. このソフトでデータを作成する際の社内ルール。
  5. データを作成する上で重要なこと。

などです。

確かに私は新卒の新入社員ではありません。中途採用だし、アラフォーだし、業界経験もある。だけど初めて使うソフトなんです。入社初日で会社の勝手も分からないまま、いきなり最低限のショートカットキーとボタンの使い方だけバーッと説明されて「じゃあこれを清書して」と下書きの図面を渡されて、先輩はそのまま自分の仕事へ。四苦八苦しながら(もちろん質問を挟みながら)終日掛けて半分まで作業を進めた旨を報告すると「今日中に終わると思ってたんですけど。前の子はとにかく手だけは早かったんで」と言われる始末。こんな風に書くと「いじわるな先輩」と思われるかもしれませんが、別に先輩は悪い人ではないですし、私を嫌ってる訳でもありません。その証拠に他愛のない話はいくらでもしてくれます。ただ教え方がクッソ下手なだけです。恨むならこういう教え方で良しとしている社長でしょうか。マネジメントが注視されてから相当な年月が経っているにも関わらず、その“手だけは早い”前任者が1ヶ月で退職したことを、どれだけ重く受け止めているのでしょうか。

百歩譲って、社長も先輩も忙しくてそこまで丁寧に教えている時間がないとしましょう。だったら「時間が作れないから、まずはこのマニュアルに沿って使い方を覚えて」とマニュアルを投げて寄越せば良かったのです。実際、後日このソフトのユーザーズマニュアルがあることを知らされました。おそらく先輩的には「マニュアルはあるけど、どうせ必要な機能は一部だし、必要な所だけ覚えてもらえばいい」という考え方なのでしょう。しかしながら、線の引き方だけ教わっていきなり実践のデータを作らされて、後から「何でこのレイヤを使わなかったの?この線が曲がってるの気付かなかったの?」と言われても訳がわかりません。何でと言われても「教わってないから」なんですが、先輩側としては「分からなければ聞くでしょ、普通」と言いたい訳です。でもこっちは何が分からないかも分からないんだっつーの。だから本来一番最初に大切なのは“ヒアリング”だったんですよね。私が何をどこまで知ってて、何を分かってないか。特に中途採用の場合そこが凸凹なので、教える側はそこを均すのが最初の仕事だと言えるでしょう。今回の場合も一応先輩は「前の会社では何ていうソフト使ってたんですか?」と聞いてくれました。×××ですと答えると「そのソフトを知らないので、違いは分からないんですけど…」一蹴された上、すぐショートカットキーの説明に入られてしまいました。

 

どうでもいいと言いながらどうでもよくない。

あと先輩のいけないところは“要らない言葉が多すぎる”ことです。例えば、一つ説明を終えた後で「まあ、どっちでもいいんですけどね」「私はA型だから気になるんでこうしてますけど」「後でまたその時に説明しますけど」などなど。こっちとしてはその一言で教わったことがあやふやになって“先輩のルール”なのか“社内ルール”なのか分からなくなってしまいます。挙句「何でこっちのレイヤに(以下略」と言われる。そりゃ貴方がどっちでもいいって言ったからですよ。頼むから先輩のやり方をしっかり叩き込んで欲しい。やり方を自分の物にしてからアレンジなんていくらでもするからさぁ。結局のところ先輩も自分のやり方に自信がないんですよね。傍から見たらもっと良い方法があるんじゃないかとか。でもそれは先輩の問題で、新人の私には関係ない話です。むしろ他を考える余裕なんて無いんですから、先輩のコピーを作るイメージで教えてくれればいいんです。又は、どっちでもいいって言ったからにはそれに対して文句は言わないとか。「前に教えたと思うんですけど」も言われると本当にムカつくから言わないで欲しいなぁ。2回も3回も聞いてる訳じゃないんだよ?先輩は1回で全部覚えてきたんでしょうけど、メモを取る時間も十分に与えてくれない中で「前にも言いましたよ」って、あんたどれだけ頭良いんだよ…頭良いのは分かったから、皆が皆あなたみたいじゃないんだってこと、そろそろ気付こうぜ…。

 

空気を読むことは仕事じゃありません。

社長と先輩に同行して、取引先の打ち合わせに参加した時のこと。社長に「名刺持ったよね?」と確認されたのに、いざ顔合わせの際に紹介してもらえず、ずっと挨拶の機会を伺う羽目になりました。何とか合間を縫って名刺交換してもらったらマナー違反でした(テヘペロ)。だけどさぁ、打ち合わせ現場への移動中も全然打ち合わせの意図とか、参加者の力関係とか、うちの会社のスタンスとか、私の役割とか、何の説明も与えられないままですよ?言われてたのは「今回の案件は本城さんに担当してもらうかな(笑)」ってだけ。担当と言われた割に紹介はされないし、自分から行けってことかしらと行ってみれば怒られるし、担当って冗談だったのかなと思ってみればいきなりデータの作成一人で任せられてダメ出しされるし…モチベーションだだ下がりです。「だーかーら、分かんなかったら聞けよ」というのがこの会社のスタンスなのかもしれませんが、社長と先輩が普通におしゃべりしてる中、いきなり仕事の質問なんて出来ます?それに聞くって勇気が要ることなんです。特に今の会社は質問の内容によっては「そんなこと聞いてどうするの」って顔されますしね。こっちは情報の必要・不必要が分からないんだから、必要な情報は事前に与える義務があると思うんですよね…。

 

そろそろ話をまとめると。

本題は【理想の会社とは?】でした。学生の就職率がほぼ100%と言われて久しいです。どの業界も人手不足が深刻です。「辞めさせても、代わりはいくらでもいる」という時代はとっくに終わっているのです。だからやっぱり【人を育てられる会社】が理想的なのではないかと思います。働けば働くほど分かりますが、結局何でも“ヒト”次第です。お金を出すのは人ですが、お金を動かすのは人の心なんですよね。“心を込めて”とは良く言ったもので、心を込めた仕事にはしっかり対価がついて回ります。そういう“仕事に心を込められるヒト”を育てる会社、“心を込めた仕事に専念できる”会社が求められているし、残っていくのではないかなぁと思うのです。そういう会社を目指そうとすると必然的にチームワークとか情報共有とか考えざるを得ないと思うんですけどね…というか、会社力!とか組織力!なんて本がいくらでも出回っているのに、どうしてそういう所に目が向けられないのかなぁ。どうしてそういう理想の会社が増えていかないのかぁ…。

 

最後になりましたが。

「教える側の文句ばっかり言ってるけど、結局あんたが仕事が出来ないだけでしょ」と思われるのは百も承知です。仕事に対する勘は鈍いし、ビクビクしてなかなか質問出来ないし、やっと質問したと思ったらトンチンカンな内容だし…本当仕事が出来ない典型だなって思います。でも、時間は掛かるけど仕事はちゃんと覚えたいと思うし、一人で一通りのことが出来るようになるまで頑張るつもりです。残念ながら、これからの時代、シルバー人材などで私みたいに“やる気はあるけど仕事が出来ない年上の後輩”がたくさん流入してくると思うんですよね。人手が足りない訳ですから、そういう人を確保して育てて行かないとならないんです。「何度言ったら分かるんですか」「もういいです、私がやりますから」と言われて気持ち良く働ける人なんていますか?言われる方が悪いというなら、それはいじめられる方が悪いというのと同じ理屈です。そもそもいじめようとする人間が現れなければいじめられることはないのです。つまり教える側が言葉を変えるだけで、職場の雰囲気は劇的に改善しますし、相手のモチベーションも上がります。仕事も早く覚えてもらえて、自分の業務が軽くなったり、広げることが出来るかもしれません。悪循環なんて誰も求めていないわけですから、皆で理想を目指せば叶うものだと私は信じています。いつか自分が理想とする【チームワークで仕事が出来る会社】にして行けたらと思っています。