*Complex+Drive*

勝手に上から目線の、真っ黒な。

私の働き方改革。

遅ればせながら、ようやく夏季休暇を取得した。3連休を含めて6連休である。

今の会社に転職して来てから一年が過ぎ、私はこの連休を利用して自分の働き方を見直すことにした。

 

きっかけは今から半年前に遡る。

半年前、私の仕事のモチベーションはマイナスの状態であった。

社長以下自分を含めて3名という中小企業に転職した昨年8月―――初日こそ私を“さん”付けしていた社長も、翌日には既に名字を呼び捨てにした。

理由は自分でも分かっていた。とにかくこの転職はミスマッチだったのだ。

 

経験者を採用したつもりの社長と、経験を積みたかった私―――。面接で自分語りしかしなかった社長と、転職の目的をはっきり伝えなかった私―――。

どちらも悪かった。

社長は採用に失敗し、私は転職に失敗したのだった。

 

社長の失意は明白で、私は連日厳しい言葉を投げかけられた。

「センスが無いんだよなぁ…」

「日本語がおかしい」

「さっきから展開図を書けって言ってるのに、なんで立面なんだよ」

社長と私は年齢が近いこともあって、社長は“このくらいは出来るだろう”と高を括っていたのだと思う。

しかし、この業界を10年以上続けてきた社長と、資格を取得しただけで現場経験がほとんどない自分では、何の一致点も無かった。

 

更に仕事に対する意識の温度差も追い打ちを掛けた。

 

社長は、目標としていた仕事で挫折し、様々な事情からまったく異なる業界で会社を起業した経緯がある。

ガムシャラに、まさに自分の力でここまで仕事を続けてきた、言わば努力の人だった。必死にしがみついて、知識を蓄え、ありとあらゆる方法でやり方を開拓し、利益を考えた。おそらく本来はそんなこととは無縁な人なのに、仕事のために自分を変えてきたような人だ。

一方私にとって、仕事は生活の一部であった。生活あっての仕事という考え方だ。だからそこまで必死に全力で仕事に向き合おうなどと思っていない。しかし同じ時間を費やすのであれば多少なりとも興味のあること(デザイン)を仕事にしたいなぁ、という程度だった。

しかし社長にしてみれば、同じアラフォーでバツイチ、これから老後のことも見据えなければならないというのに、何を日和っているんだという気持ちがあるに違いない。

 

そんな折り、翌日に飲食店のプレゼンを控えていたその日に、社長の怒りが爆発した。

 

まず先に、私の言い分を聞いて欲しい。

 

①飲食店のレイアウトは未経験だった。

②家具選びも未経験だった。

③CGパースを作成するソフトに殆ど慣れていなかった。

④社長が2泊3日の出張中で、毎日仕事の進捗を報告していたが、それに対して何の返信も無かった。

⑤プライベートを優先する考えなので、定時で上がり、週末もしっかり休んだ。

 

プレゼンの前日、定時の30分前に出張から戻ってきた社長は、私の出したプレゼン資料を見て大きなため息をついた。

 

「何これ、どこがブリティッシュなの?全然お客さんの要望が入ってないし、パースも暗いし色もおかしいし、どうすんのこれ?こんなんじゃ無い方がマシでしょ。どうすんだよ」

「毎日報告ってメール送ってきてたけどさ、本城が作りたいデザインがこれなの?これをお客さんに出して、どう説明するつもりなの?」

 

畳み掛けるように社長に質問され、私は何も返すことが出来ず、パニックに陥っていた。

デザインに対するこだわりなど一切持ち合わせていなかったし、お客様から請け負った“ブリティッシュ”というお題に対しても、軽く調べただけで突き詰めて考えてなどいなかった。

更に報告メールに返信が無かったために、この方向性で良いのだと思い、仕事を進めていたのだ。

 

19時過ぎから改めてブリティッシュに関する画像を集めて、自分がイメージするブリティッシュなデザインに近いものを選び出し、それをパースに当てはめる作業を行った。

しかし今度はそれを上手くパース上で再現出来ない。

 

社長に「もうパース無しで行けば」と突き放されたが「出来るところまでやります」と終電を見送った。

結果、朝まで社長にダメ出しをされながら作業を行うことになった。

 

「前の仕事で出来てたことが何で出来ないの?」

「仕事の段取りをイチから説明しないといけないの?そういう年齢でもないしさ」

「俺とか本城みたいなのはさ、パクリしかないんだよ。ブリティッシュな飲食店の写真を集めて、共通する色とかデザインを真似するのが一番早くて正確なんだよ」

「報告のメール見て電話したらもう帰ってるしさ。資料が間に合わないって思ったら、休みの日も出てくるとかさ」

「こんなのお客に見せて、このデザインに金払おうと思う?仕事ナメてんの?」

「もう少しさ、デザイナーって紹介出来るような服装とか髪型とか考えてくれない?」

 

一晩中こんなことを言われ続けた。

 

朝帰りして、彼氏にも怒られた。

 

「転職して通勤時間は長くなりました、給料は下がりました、残業は長くなりましたって全部ダメじゃん。辞めちまえよそんな会社」

 

その通りだと思った。条件はすべてマイナス、挙げ句センスがない、服装や髪型が地味など、人格的なことまで否定されて、そこまで言われて続けることだろうかと思った。

そうして出した結論は“とりあえず一年は何も考えずに続ける”だった。一年やっても待遇が変わらなければ、その時に改めて考えよう、と。

 

一年が経って、結果として給与面や残業面の待遇は変わっていない。社長の態度はだいぶ軟化した…とは言え、これまで言われ続けて失った自信ややる気は挽回出来るどころか、より失うような自分のダメっぷりを痛感する日々が続いている。

自分の人当たりの良さは、他人と争うことがこの上なく面倒だからだ。だから現場で「〇〇してください」「△△だから出来ないよ」「そうですか…」とすぐに引き下がってしまう。最近はこれがダメなんだと頑張って「じゃあどうすれば出来ますか?△△って何ですか?」と食い下がるようにしているが、これだってポーズで真剣ではない。自分の根底には常に【別にどっちでもいいけど】という冷めた本心があり、とことんこの仕事に向いていないということがわかったのだ。

 

ではどんな仕事が向いているのか。

 

残念ながら、それはまだ模索している最中である。強いてあげるなら接客業だろうな、とは思うが年齢的に立ち仕事に戻るのは不安あったりもする。

条件としては現状より改善したいと考え①家から近い②基本給が上がる③残業がないという3つの内最低2つを満たすことを目的とし、転職活動を始めた。

今回は前回の反省を踏まえ、長くじっくり取り組みたいと思う。そこには起業や副業も含まれているし、条件を満たせれば正社員じゃなくても良いと考えている。とにかく楽しく楽に最低限稼ぐ―――これが私の目指す働き方改革であり、私達以下の世代の大半が求めている働き方ではないだろうか。企業側も国側もそれだと困るだろうから、ミスマッチはしばらく続くのではないかな。

 

 

 

 

 

ドラマ『覚悟はいいかそこの女子。』感想。

※原作コミックスは未読です。

 

なんだかんだでスイーツ映画が嫌いではない。

とは言え、さすがにすべてを網羅している訳ではなく、基本的にキャストで見定め、映画館まで観に行くか、ネット配信を待つか決めている。つまりはストーリーと言うよりも、スクリーンに映る女優さんなり俳優さんなりのその顔を、どれだけ見つめていたいかという欲求に基づいている。

 

何かと軽んじられることの多いスイーツ映画ではあるが、これだけ量産されているのだから、何かしらの需要なり理由なりがあると思われる。想像するに、やはり人気役者を配することによる一定の見込と、広告展開のしやすさ、原作を抱える出版社とのWin-Winな関係…など、少し素人が考えただけでこれだけ利点が上がるのだから世話はない。

更に最近は、映画の広告を兼ねた連続ドラマを先行放送するという手法も頻繁に取られている。これもまた2時間弱という制限時間のある映画では追いかけ切れない心理描写の補填であったり、撮影も映画と並行して行うことができたり、ドラマ版のパッケージ(Blu-rayBOXなど)の売上が見込めたりと、これまた良く考えたなぁと感心せずにはいられないビジネス展開である。

 

それでも同じようなものを繰り返し観させられれば飽きが来るのもまた事実である。だからこそ、各社切り口を変えて臨んでくる訳だが、この『覚悟はいいかそこの女子。』はその最たるものではないだろうか。

 

愛され男子というリアル。

少女漫画では少々珍しい男子目線で語られるストーリー。主人公:古谷斗和(ふるや・とわ/演:中川大志)はごくごく普通の男子高校生でありながら、甘いルックスと高いコミュニケーション能力だけで“愛され男子”の名を欲しいままにしている。勉強はちょっと苦手。運動は体育の授業で多少目立てる程度。制服の着こなしに多少こだわってはいるけど、美容や筋トレには無頓着。休み時間のもっぱらの話題は“どうしたら女子にモテるか”だけど、何もしなくてもモテている自覚があるか大して真剣ではない。それでも昼休みには複数人の女子が手作り弁当を手に群がってくる、天然の“愛され男子”。

女子が群がるという漫画ならではの誇張表現を除けば、実際クラス単位や学校単位でモテる男子というのは、いわゆる斗和のような“愛され男子”――クラスの人気者ではないだろうか。今流行りの王子様系や俺様系なんかより到底リアルである。

更に斗和は、女子にモテるんだけど何処か憎めない、根強い同性からの人気もあり、とにかく普通にイイ奴だったりする。特にこのドラマ版は、毎回ゲストとなる同級生(男)の恋愛を斗和が応援すると言う構図になっており、斗和が見た目だけじゃなくて、本当に友達にしたいくらいイイ奴だ!と思わせるのに十分な効果を発揮している。

モテるくせに他人の恋愛相談にばかり奔走し、励ましたり同情したりしていた斗和自身の恋愛は劇場版で!という戦略はちょっと珍しい。挙げ句、映画版が既に予告の段階でネタバレしていて、愛され男子代表のであるはずの斗和が、本命の女子にはこっぴどくフラレると言うのだから、興味がそそられない訳がない!東映にしては(失礼)珍しい切り口のプロモーションだ。

 

 

登場女子が可愛くないリアル。

ドラマ版でもっとも度肝を抜かれるのが、とにかく出てくる女子がみんな可愛くないこと。失礼だがこれがこのドラマの最たる魅力だと思っているので、声を大にして言いたい。とにかく女子が可愛くない。

男性側の若手俳優さんは、知名度があったりネクストブレイクが期待できそうな面子なんだけど(このブログの趣旨が上から目線なので諸々ご容赦いただきたい)女子はリアルにクラスにいそうな女子なのである。よく見ればみんな細くて手足は長いし、髪もキレイだし、クラスにいたら間違いなく可愛い系に該当するレベルなんだけど、超絶美少女が闊歩する昨今の若手女優を見慣れていると、どうしても「ん?」と思わずには居られない。

そしてゲストのイケメン俳優たちが、その可愛くない女子たちに恋をする。ちょっと自分のことをかばってくれた。怪我をしたときさり気なく絆創膏をくれた――そんな些細な出来事をきっかけに、男子たちはたちまちその女子を可愛い認定してしまうというリアル!

更にその可愛くない女子たちは、男心を手に入れたと確信するや否や立場を逆転して主導権を握ったり、あっさり彼らを振ったりする。

 

【女子って怖ぇ…】

 

というのが、、このドラマの裏テーマなのだ。そして女子の怖さを目の当たりにしながらも、彼女たちに恋をし、好かれたいと努力し、あわよくばエッチしたい!と思ってしまう切ない…けれど愛すべき男子たち。

「覚悟はいいかそこの女子」というタイトルとは裏腹の、リアルな男子の恋愛事情が詰まったドラマなのだ。

 

でも私たちは知っている。本気を出した男子に、自分たちは勝てないと言う事を。

いくつになってもバカやってる男たちを愛おしいと思ってしまう事実を。

 

どんなにヘタレて見えようが、覚悟を突き出されたらきっとほだされてしまう。それが分かっているから、超イイ奴である斗和の恋愛を応援してしまう。本気男子の怖さに胸キュンしてしまうダメな私たちには、何処か覚悟が足りないのかもしれない。

 

ドラマとセットで楽しみたい、今期一番のお楽しみドラマだ。

君は、夢を叶えたか?

今、とてもとても口説き落としている相手がいる。

前の会社で一緒に仕事をしていたD氏だ。

年齢は近いのだが、D氏は高校卒業と同時に職人の世界に入った熟練の経験者で、社内で図面を引ける私とペアでよく現場を回っていた相手だ。

現在は独立して自身の工務店を構えている。私は、私の経験値の低さとツメの甘さを十二分に理解しているD氏と、どうしてもまた一緒に仕事がしたいと思っている。なんと言ってもD氏は、ディーンフジオカ似のイケメン職人なのだ。

 

しかしながらD氏は、究極に面倒くさい相手でもある。本人にまったく自覚がないのがまた腹立たしいのだが、なんと言えば良いか、「また一緒に仕事したいです!お願いします!」と直球で申し出ても「会社の方針は決まったの?本城さんが作りたいものはどういうもの?」という返しをしてくる、一筋縄では行かない、何よりも“ハート”?を大事にする静かに熱い男なのだ。

 

たまーに会って、ファミレスでご飯を食べたりするけれど、とにかくこの人と話していてすっきりした試しがない。

基本的に話はずーっと平行線でまったく溝が埋まる気配はない。一緒に仕事を始めた頃は、そのルックスと物腰に色々期待したものだが、愛する奥さん以外に無駄に同情したりフォローしたりする相手ではないと察してからは、大概こちらもおいそれと持ち上げたりはしない。あくまでビジネスの相手として、比較的罵るようにしている。(どんなだ…)

 

それはともかく、もう半年以上も名刺をくれと言っているのに、未だにくれない。

本当にこの人うちの会社の仕事受ける気あるの?と思うが、聞けば「面白そうな社長さんだから会いたいなぁ」とかまたふわっとした物言いをしてくる。

そして

 

「本城さんは今の会社で何がしたいの?」

 

「あー…また住宅とかやりたいなーとは思いますけど」

 

「じゃあやればいいのに。人生も折り返し地点なんだから、好きなことに時間遣わないと。本城さんの夢は何?」

 

などと、またなんだか話がややこしい方向に向いてくる。

 

夢は何かと訊かれて、まっさきに思い浮かんだのは(もう、夢は叶えてるんだよなぁ…)ということだった。

 

私の夢は、大好きな人と猫を飼って暮らすことで、今現在進行形でその夢は叶っている。

この先は、夢というより願いで、猫たちをきちんと最後まで看取る、その責任を果たしたいと思っている。

 

しかし、D氏の求める夢とやらとは、何かが決定的に違うと、心の何処かでわかっている為、そのことは口に出せなかった。私にとっては何事にも変えがたい願いで、それを一番理解して欲しい人には理解されている時点で完結しているからだ。このことを他の誰にも理解される必要はなかった。

 

だから結局、その問いに答えられなかったせいで、約束を取り付けるには至っていない。本当に面倒くさい。面倒くさいんだけど、腕が良くて任せられるいい仕事相手なんだよなぁ…。

 

なので、正式に断られるまでしつこく口説いている。私の夢は叶っている。だから仕事は上手く行くはずがない。私が望むバランスだからだ。それでも生活のために働く。最低限働く。それがD氏には見え透いているのかな。本当に一筋縄では行かない相手だ。

シャイなんて何の美徳にもならない。

先週末、突然社長が「みんなでお酒でも飲みながら会議しない?」と、珍しいことを言い出した。

 

社長含め、4人しかいない小さな会社なので、誰も断る理由もなく、早めに仕事を切り上げて近くの焼肉屋に入った。

 

私を含めた3人の従業員は、社長の“会議”という単語が頭から離れず、どこかモヤモヤした気持ちのまま、恐る恐る肉を頬張っていた訳だが、当の社長は本題を避けるように、焼酎を片手に世間話に終始していた。

挙げ句「会議はまたちゃんと会社でやろうか」などと言い出し始めた。何というか、これがうちの社長の悪いクセである。悪い人ではないのだが、上にいる分には面倒くさいことこの上ないのだ。

 

昨年夏に転職して10ヶ月が経過しようとしている私だが、唯一の先輩が早々に退職してくれたおかげで、社長の次に社歴が長い身分である。設立から10年でまったく下が育っていないこの状況は、ひとえにこの社長の責任であることは明白だが、当の本人にその自覚があるかは怪しいところだ。

 

例えば、今回のディナーミーティング?だって、蓋を開けてみれば決起集会だった。経歴はバラバラだけれども、スキル的には申し分ないメンバー(と、一応私も含めて言っておく)が揃っている今、もっと顧客を増やしたいという趣旨の会議だった。

勘の良い読者の皆様ならもうお気付きであろうが、こういうことすら酒の力を借りないと言えないような“シャイ”な人物なのである。

 

マネジメントをする上で、最も重要なことはモチベーションの維持だと、私は思っている。

これは自己管理もさながら、上司の力によるところが大きい。上司の仕事というのは、部下を叱りつけることでも、仕事を取ってくることでも、上客の接待をすることでもなく、如何に部下に給料分の仕事をさせるかというところなのだが、なかなかこれを意識的に出来ている上司は少ない。

そうして、人材不足が叫ばれる今、部下に給料分の仕事を【気持ちよく】させるかが、人材をつなぎとめる重要な鍵となっている。

部下である我々にだって、個々の事情があり、今に至る背景も様々だ。そんな中で【気持ちの良い】職場を作ることは簡単なことではない。しかしながら、これこそが上司にしか出来ない仕事なのである。

 

私が最初に入社した会社の社長は、これがものすごく上手かった。今となっては日本を代表する企業グループに成長しているが、当時でも千人近い従業員を抱えるグループ会社であったにもかかわらず、新卒で入社した私とたまたま乗り合わせたエレベーターで、私に向かってこう言ったのだ。

 

「本城の仕事に対する心構え、すごく良かった。さすがあの○○が推薦してくるだけのことはある。あいつが人を認めるなんてなかなかないことなんだ。これからもよろしく頼むな」

 

社長のルックスがダンディーであったことも相当手伝って、私はその言葉にギュギュッとハートをわしづかみにされてしまった。給料も果てしなく良かったが、とにかくこの社長のために働こう、そう思わされたものである。

なぜなら社長は、社内でも気難しいことで有名な○○さんの元で、アルバイトから内定にこぎ着けたという、私が【最も誉めてほしい】ところを誉めてくれたのだから。

 

事実、人心を掌握するに一番効果的なのが“誉める”こと、それも本人が誉めてほしいところを誉めることに尽きる。

誰だって誉めて欲しい、認めて欲しいという気持ちが必ずある。なのに、それを与えることが出来ない人のなんて多いことか。変なプライドや照れがそれを邪魔している人の、なんと多いことか。

 

まさに、私の今の社長がそれで、とにかく人を誉めないうえに、イジることと誉めることを混同している有様。お礼さえまともに言われた試しがない。挙げ句、仕事時間=やる気だと思っているフシがあり、なかなかに救いようがない。働き方改革=上司の脳内改革ではなかろうか。

 

その焼肉の席で、社長は私に「本城がやってることは設計士レベル」と言われたけど、なんだかピンと来なかった。本人が精一杯誉めてることは伝わってきたが、だったらもう少し具体的に言ってほしかった。そうすれば、少なくとも、そこには自信が持てたかもしれないのに。

 

そんなわけで、せっかくの決起集会だが、我々従業員のモチベーションは特に上がることもなく、会はお開きとなった。酔っぱらいの社長にその雰囲気が伝わっていたかどうかはさだかではないが、せめて自分の機嫌で社内の空気を悪くすることだけは控えて欲しいものだ。

 

 

ドラマ『奥様は、取り扱い注意』第1話感想。

綾瀬はるかさん主演という部分だけをきっかけに観ましたが、夫役が西島秀俊さん、脚本が金城一紀さんということで冒頭のアクションシーンに納得。一方で、キャスティングだけで盛大なネタバレじゃないかと思うのですが…。色々思うところをいつも通りつらつらと書き出してみます。

 

見所は…インテリアかなぁ…。

あの西島秀俊さんがIT企業経営者な訳ないだろ!というツッコミはさておき、残念ながら最大の見所はインテリアだと声を大にして言いたい。設定が高級住宅街で暇を持て余す主婦の道楽という部分で、どれだけ視聴者の共感を得られるか大変疑問だったりする。少なくとも大半の部分で白けてしまった訳ですが、インテリアは素晴らしかった。インテリアコーディネーターとしてやりがいある美術設定だなぁと思います。これから住宅を購入する方は参考になるんではないでしょうか。特にキッチンと寝室と収納ですね。間接照明とか「これ使ってみたかったんだよね〜」というものが使われていて、ひたすら内装ばっかりチェックする1時間でした。

 

さて問題の本筋。

冒頭で、タイトルである『奥様は、取り扱い注意』の意味が分かったり、ハリウッド映画でよくある元CIAが活躍する設定同様の痛快劇なのは分かります。分かりますが。1話で扱うのがDVって何だか悪い意味でありきたり過ぎてどうなんでしょうか。このところドラマで安易に取り上げられすぎて“女性の気持ちに寄り添うツール”扱いになっているのがすごく嫌だなぁと。更に広末涼子さんが『ナオミとカナコ』でまさにDVと戦っていたのでその辺りもフラッシュバックして、また何か同じものを見せられてる感じがしてしまいました。そんな身近なご近所トラブルがDVであって欲しい訳があるはずもないので、安直に取り入れて欲しくないというのが率直な感想。

 

痛快…かな。

全体的に都合よくトントン拍子に台詞が回っていくのが、ものすごく違和感があるというか…。例えばですけど、妻がご近所のDVに気付いたことを夫に相談しても、大概は「うちに関係ないんだからほっとけよ」「何でも首突っ込むなよ」と言われるのがオチだと思うし、友人に相談しても「そんなに親しくないのに、あまり関わって事を大きくするのは良くないんじゃない」と当たり障りのない返答が返ってくる方がザラだと思うんですよ。なのにこのドラマだと時間を掛けてまで問題を解決しようとする方向で、最初から全体が一致してしまっていてとても現実味がない。挙句、相手の夫と対峙するまで首を突っ込んでおいて、結局本人が刺されるまで解決しないってどうなんだろうと思う。あそこまで踏み込んでしまったら、下手したら殺される危険性だってあるし、友人として名乗り出た大原家や佐藤家に嫌がらせが飛び火する可能性だってある訳で、その辺が特に問題なくあっさり数週間が過ぎ、水上さんからのSOSの電話にも気付かず…って無責任だなぁと。テンポが所々で崩されるのは前期の『カンナさーん!』に近いかな。こちらがドラマに求めていることとズレている感じが、最初から最後まで拭えませんでした。

 

それでも最後まで観ます!

とは言え、綾瀬はるかさんも西島秀俊さんも広末涼子さんも本田翼さんも金城一紀さんも好きなので最後まで観ます(笑)インテリアもそうですが、ファッションも良かったのでそれも毎回楽しみですね。あとは西島さんの正体がどっか早いうちに出てきて、『Mr.&Mrs.スミス』みたいな展開になるのを期待して待ってます!

完全文系出身の私が、何故いま建築に携わっているのか。


あいつ、建築辞めるってよ。 | 建築嫌い系建築ブロガーによる建築のこと。

"空間デザイナー募集"の触れ込みで今の会社に転職してきた私ですが、今やらされてる事ってデザインじゃなくて設計じゃね?と思い立ち、"設計士に向いてる人"でググって出会ったこのblog…むちゃくちゃ共感しました。厳密に言うと私がやってることは設計じゃなくてプランナーなのですが…。とりあえず思いの丈を綴ってみることにします。

 

そもそもどうして今の仕事に

私は建築がやりたかった訳ではありません。むしろ再就職するまで、衣食住にまったく興味がない人間でした。たまたま施工会社(あとで"ナンチャッテ"施工会社だと分かって辞めるのですが)に事務として再就職することが出来て、たまたまカラーコーディネーターとインテリアコーディネーターの資格を取らせてもらえるというので取得しました。そうしてたまたまインテリアコーディネーターの枠が空いたので、事務とコーディネーターを兼任することになり、たまたまCAD図面を引ける人がいなかったので覚えて使えるようになっただけです。在籍していた3年の出来事でした。

前の会社は社長を始め、建築の素人集団でした。地道に原状回復だけやっていければ良かったのに、元請けの要請でリノベーションも手掛けるようになり、大きな工事をやればやるほど赤字になるような会社でした。だってそんな大きな工事、見積を取れる人間がいないんですよ。押入れ潰してトイレにしましょうとか元請けは簡単に言うけど、そこに給排水を回すことが出来るのか、どうやって勾配を取るのか、そういう知識のある人間がこちら側にいないから、言われるがままユニットトイレの金額だけで見積しちゃう。発注が来てから職人さんに「こんな金額じゃ出来ないよ」って言われても後の祭り。そんなことの繰り返しでした。

それなのに社長は「そこを何とかするのが職人だろう?」と常に上から物を言う人で、私はその態度が許せませんでした。協力会社さんがいなければ塗装も出来ないクロスも貼れない。誰のお陰で内装業者を名乗っていられるんだと思いました。だから自分だけでも職人さんが仕事をしやすいような指示書を書こう、図面を引こうと心がけました。ただ、会社としては事務員扱いなので疎まれましたけどね…仕事が遅いから。

 

内装デザインの仕事は面白い

そうやってコーディネーターとして内装材を選んだり、職人さんとやり取りをするようになって仕事は面白くなってきました。コーディネーターは私一人しかいなかったのでかなり自由にやれましたし、賃貸物件がメインだったので内装デザインは丸投げってことも多くて、毎回自分でテーマを決めてプランニング出来たことも大きかったです。更にプレゼン資料を作るのも楽しかったー。元々、同人誌を作っていたのでPhotoshopIllustratorで資料レイアウトを考えるのも趣味の延長って感じでした。更にこの仕事を天職だと誤認させたのは、デザインに対して一切のこだわりを持てなかったことです。所詮他人が住む部屋、所詮元請けの責任…自分に何のデメリットも無いので、無責任にデザインパターンを量産出来ましたし、それが採用されなくても全く傷付かなかった。それよりもプレゼン資料を作ることそのものに満足出来てしまったのです。

 

インテリアコーディネーターとは

一方で、アラフォーでそんなことをしていても、何のキャリアに繋がらないことも自覚していました。「このカタログのこの価格帯の中からクロスを選んで」なんてことは誰でも出来て仕事ですら無い。IC(インテリアコーディネーター)の肩書があるから多少の箔が付くくらいです。

更に、ICの試験問題を見てもらえばわかりますが、ICの資格取得にセンスは関係ありません。一次試験の内容は基本的な建物の構造から家具の歴史、建築用語や人体モジュールなど幅広く浅いのが特徴です。二次試験は実技ですが、家具の配置が主な目的となっています。勉強内容は興味深かったし、全く実務に役立たないとまでは言いませんが、どちらかというと家具販売員が持つべき資格じゃないかなーとは思いました。その辺りの認知がICに関しては実際あやふやで、資格取得を勧めてきた前会社の社長だってよく分かっていなかった。「うちにはインテリアコーディネーターがいますよ」と言いたいだけ。でもこのネームバリューはかなりの影響力があって、私が名刺を出すだけで喜んでくれるオーナーさんは多かったです。それは嬉しい反面とても申し訳なかった。資格を取得したばかりの私には何の実績もなく、何一つ自信を持って提案していなかったからです。

 

コーディネーター・デザイナー・プランナー

更によく勘違いされるのがインテリアデザイナーやインテリアプランナーの分野です。プランナーがより建築士に近く、デザイナーは設計よりで、コーディネーターは家具レイアウトに近いと大別することが出来ますが、実際は全部ごちゃまぜに認識されていることが多いと思います。私も間取り変更でどこの間仕切りを取るか、3点ユニットからトイレを独立させるのに、どうやったらいいかというデザイナーやプランナーのような仕事もよく手掛けていました。更にCADが使えるのが私だけだったので、手書きの実測図面をCADに書き起こして、そこからプランニングするとかも私の仕事でした。もうこうなってくるとIC関係無くない?!って感じですが…。

もちろん、ここにトイレを持ってきたいけど実際に施工可能かとか、この壁は抜いて問題ないのかなどの知識は一切ありませんから、分からないことは全部職人さんに相談して進めます。職人の皆さんが本当に親切に根気よく教えてくださったのが、心強く有難かったし、そういう職人さんに恵まれたことが一番の幸運でした。だからもっと現場を知りたいと思うようになり、転職を考える訳ですが、もう少しあの厳しく優しい環境で勉強してから飛び出せば良かったと後から後悔する訳です…。

 

私の仕事って何だろう

前会社の社長はtyazukeさんの書くIT老害の典型的人物でした。社長がPCを使えないから、書類の清書やデータの抽出は全部事務員の仕事でしたし、「パソコンでやれば何でもすぐ終わる」と思ってるので、事務員は楽している・どうせ暇だろうと下端に見ていました。それに比べると現会社の社長は、会社設立当初すべて一人でやっていただけあってPC知識も豊富で、何でも出来る人です。が、だからこそ社員を増やす=自分の分身を増やすと思っている節があります。社長が行けない物件の実測に行って平面図を書き起こしておくとか、社長が忙しくて手が回らない物件のゾーニングをしておくとか、そういうことが今の私の仕事です。社長とはそんなに歳が変わらないんですけど、tyazukeさんも書いてますが「俺の背中を見ろ」的な教育方針なのでとにかくやってみての一点張り。ツライ。だって絶対間違う、注意されるって分かってチェック受けなきゃいけないんですよ…。今やらされてるのなんて15階建てのオフィスゾーニングですよ。案の定「これじゃ建築基準法に引っかかるでしょ」って赤が入りましたが…その…建築基準法なんて今まで考えたこともなかったんですけど…いやだから今勉強しろってことですよね、スミマセン…。

私より先に入った若いデザイナーが1ヶ月で辞めた理由がよく分かる。“空間デザイナー”として雇われたはずなのに、やってることと行ったら実測・図面書き・3Dパーツ作成・工事申請…って何にもデザインしてないじゃん!って思いますもん。内装材を選ぶのも社長だし、資料レイアウトのデザインも社長のセンスに合わないと却下されるし…。

でもこうやって書き並べてみると、私は現場を知りたくて飛び出した訳だし、机上の空論じゃなくて現場に沿った空間デザインをするためには自分で図面を引けた方が絶対にいいし、いつか一人でこなさなきゃいけない仕事なら早いうちに経験しておいた方がいいし、やらされていることはまったく無駄じゃないんだなーと思えてきた。アウトプットって大事だ。私の会社は内装系のせいかカレンダー通り休めたりして、tyazukeさんほどまだ建築に絶望してないのですが、tyazukeさんが来年度にはもう建築業界にはいないと書いてあって羨ましく思ったのもまた事実です。向き不向きで言ったら、とても自分が建築に向いているとは思えないので。

 

完全文系出身の私が、何故建築に携わっているのか

私は物語が好きです。小説・漫画・ドラマ・アニメ・舞台・映画…エンタメと呼ばれるものは何でも好きです。引いては人も好きです。人生は物語そのものなので。

だから内装デザインを考える時、私はそこに物語を描きました。どういう人が住んで、どう生活するのか…建築=理系だとばかり思ってましたが、物語という切り口からなら自分も建築に携われる。その気持ちで今もこの業界の端に身を置いています。前前職である司書のほうが、断然自分に向いていると思いますし、人からもそう言われます。戻れるものなら戻りたいですが、生活が掛かっているので残念ながら今この職にしがみつくしかありません。どうせやるなら楽しくやりたいので、いつか自分のフィールドとして楽しめるように、今はこの遅い下積み時代を乗り越えたいと思っています。

もうね、最終的に建築やるんだったら大学も建築系に進めば良かったよ!って思います。経験値は買えないし、先に始めた人には敵わないので、早くから夢を持って取り組めてる人はそれだけで勝ち組だなって思います。

 

さて明日もよく分かんないけど現場に直行するよ!

 

何かに左右されるということ。

パート勤め時代に、元CAでとても美人な先輩がいた。もちろんご主人は現役パイロット。もう大学生になる息子さんがいるというのに、crocsCONVERSEが主流の職場で、7センチのピンヒールを履きこなしているような人だった。

そんな先輩の悩みは、目下ご主人にあった。野球シーズンになると、好きなチームの勝敗で家の中の空気が一変するというのだ。

 

「例えば途中まで勝ってたのに、逆転負けしたとするでしょ。そうすると夜のニュースのスポーツコーナー観てイライラ。翌朝のニュースでもイライラ。もう私も息子もそのイライラが収まるまでとにかく静かにしてるの」

 

それがシーズン中、春〜秋まで続くというのだから呆れてしまった。いくら高給取りでもそんな旦那は願い下げだと思った。だって先輩も息子さんも何一つ悪くないのである。もっと言えば、旦那さん自身の失敗や不都合でもなく、自分たちではどうしようもない第三者の勝敗に、どうしてこちらが右往左往させられなければならないのか。これはスポーツ全般のファンの人に言えることだと思うけれど、百歩譲ってファンの貴方が落ち込んだり苛立つのは勝手だけど、それを周囲にまで拡散するのはどうかと思う。

 

同様の理由で煙草を吸っている人も苦手だ。別に吸ってるけど吸わなくても平気な人は良いが、吸わないとイライラする、もしくはイライラすると煙草を吸わずには居られないという人にうんざりする。そしてそのイライラを包み隠さず周囲に拡散出来る人に、羨ましさを通り越して疑問を抱かざるを得ない。

 

私はよく“いつも穏やか”で“怒ってるところが想像出来ない”と言われる。とは言え、別に聖人君子を気取っているつもりはない。何かの所為で【自分】がマイナスの方向に乱されるのが【嫌】なだけだ。苛立ったりイライラさせられたりするのが嫌なので、その原因を最初から手放している。言い換えれば大概は【無関心】、どうでも良い。期待しないし、信じてもいない。心底冷たくて人を見下している私の状態が、他人へ“穏やかな人”という印象を与えていることになる。

 

だからどうしてわざわざ“自分自身ではどうにもならない所に感情の拠り所を置く”ことが出来るのか分からない。それが楽しかったりモチベーションが上がる正の感情の拠り所なら分かる。いや、恐らくスポーツチームのファンの人だって、チームが勝った時の確固たる正の感情を得るために応援しているのだろう。だからと言って永遠に勝ち続けることは無いと分かっていながら、その正負の衝動をチームと共に分かち合うこと自体に価値を見出していると考えると、その点は賭け事にハマる心理に近いとも言える。だとすると、金銭的な実害は低いとは言え、家族や周囲に迷惑を掛ける(不満や怒りをぶちまける)ことは、もっと問題視されても良い気がする。少なくとも公共マナーとして認識されるべきなんじゃないだろうか。

 

私は本当に感情の起伏を当て付けのように周囲にバラまく人が大嫌いだ。「俺は今機嫌が悪いから話掛けるな」オーラをプンプンさせていたりすると、「つーか、お前の都合なんか知らんがな!」と怒鳴りたくなる。残念ながら、前の会社も今の会社もそんな人ばっかりで、連日かなりうんざりさせられているのだが、空気を読んだりご機嫌を伺うのは面倒だし嫌なので、基本無視することにしている。話しかけるなって言われても、仕事だから言わないといけないことは言わないといけないしね!でも、機嫌によって対応が変わる(同じことを言ってもOKだったりNGだったり)のは仕事として上司としてどうよって思う。もう良い大人なんだから、周りに迷惑掛けない程度には自分くらいコントロールしてくれ!