*Complex+Drive*

勝手に上から目線の、真っ黒な。

ドラマ『エイジハラスメント』。

第2話まで視聴。
何というかこのドラマはバランスが悪くて安定を求めて見続けてしまうドラマだ。
居心地が悪くてスッキリしない。
そのバランスの悪さは見えない話筋であり、ふらついているキャラクター造形であり、間の取り方であり、文章的な台詞回しだ。
あんな脚本を渡されて演じている役者の皆さんを尊敬する。
聞いているだけで会話的ではないし、芯が通ってないキャラクターばかりだからメンタルの維持も相当な苦労があると思う。
2話で“イタい”という言葉を使って“今風”に寄せようという意図は感じられるが、別段新しい言葉でもないのに作中で連呼させている言い回し自体が痛々しい。
もう少し勉強して美魔女を出せばそれっぽくカバー出来ただろう。

繰り返すようだが、キャスティングは悪くない。
スタイリングも武井咲ちゃんの若さと可愛さが全面に出ていて良い。

バランスの悪さは“今話題のハラスメントを扱ってる”という押し付けがましさとは裏腹に、設定がまったく古くさいという決定的な部分に起因する。
まず社名、そして部署名、制服…どれを取っても昭和っぽい。
お茶汲みが女性の仕事というのも、総務が閑職扱いというのも一昔前の話だ。

『エイジハラスメント』という原作あってのドラマ化というのはわかっているけど、若いというだけでちやほやされるというネタだけで10話を引っ張るのは無理がある。
いっそのこと伝統ある大手商社が時世に乗っ取って社名やらなにやら横文字にしてグローバル化を前面に押し出しているにもかかわらず、その実内部では日本的なジェンダーハラスメントやエイジハラスメントが横行していて、そこを
海外育ちの新人がばっさばっさとハラスメントを叩き斬る!みたいな構図の方がドラマ的に盛上ると思うのだが。
海外と日本の違いといったトリビアを挟みつつやればなおよし。
『花咲舞~』が受けているのはバディものという調和と銀行というとっつきにくい業界モノというところにあるのだから。

ここまで批判しておいて私はまだ続きを見ようとしている。
それはある意味ツッコミどころが多すぎて、ドラマを見ながら毒を吐けるという優位的な快感と、このドラマがどこにピークを持ってきてどこに着地しようとしているのかイマイチ謎だからである。
だから数字はともかく、この居心地の悪さはネタとして成功しているのかもしれない。
まあ、今期はデスノートとかど根性ガエルとかキワモノが多すぎて、一見正統派のOLモノではそこに気づいてもらえるかも微妙なわけだけど。