*Complex+Drive*

勝手に上から目線の、真っ黒な。

7月の終わり。夏の始まり。

梅雨も開けると今年ももう終わったなぁと思う。

 

多くの人がそうだと思うが、夏は何だか心がざわついてしまって苦手だ。

その夏のざわめきが好きな人もいるだろうけど、私は落ち着かなくて嫌だ。

毎日が同じ繰り返しだったらと願う私にとって、突如与えられる40日間の“夏休み”という巨大な異空間は、気持ちを持て余すのに十分な存在だった。

 

そんなぽっかりとした夏休みを失って、早20年弱。

社会に出てからは“夏休み”という言葉すら存在しない仕事ばかりが続いて、連休を取ることさえ頭になかった。

ある意味、自分が求めていた、予期せぬトラブルを抱えた[日常の延長]が夏にも続くこととなる。

それでも仕事というのはいつも同じことでは回らなくて、どちらかというと割り込み仕事や理不尽な要求の連続で、日常という言葉にある安穏としたイメージとは程遠く、日常そのものをごった返しながら、ここまでゴロゴロと身を削って生きてきたように思う。

 

今年の二大イベントであった引っ越しと猫を飼うことは既に達成してしまった。

我ながら感心するけど、平穏な日常の繰り返しが欲しいだけなのに、私の人生は常に変化している。

猫は想像以上に大変だった。まだ子猫だからどこにでも登るし、何でも噛むし、気がつくと足元にいる。

いつでもほわほわあったかい彼が近くにいてくれるのは癒されるけれど、それ以上に彼の身を守ることと、自分のご飯を守ることに精一杯になるとは思わなかった。

彼は火の点いたガスコンロに平気で飛び乗るし、隙あらば私のご飯やコーヒーに口をつけようとする。

やんちゃでわんぱくで猫ノイローゼ気味にもなったけど日々折り合いをつけている。

何せこれから10年以上一緒に過ごす家族なのだ。

 

7月の終わり、夏の始まり。

安穏とした日常を求める。

 

感想『オオカミ少女と黒王子』16巻

オオカミ少女と黒王子 16 (マーガレットコミックス)

オオカミ少女と黒王子 16 (マーガレットコミックス)



※ネタバレを含みます※

1巻を表紙買いしたのは、もう何年前になるだろう。とにかく絵が上手くて、佐田くんのSっぷりが程好くて、一気にハマって繰り返し読んだ記憶がある。

今回も楽しみに最新刊を買ったら、何と最終巻だった。今時珍しいくらい見たい処まで見せてくれる最終巻でした。そして読み終わってしみじみと"ああ、このお話は佐田くんが幸せになる話だったんだ"と思った。「エリカ良かったね」ではなく、「佐田くん良かったねぇ」である。それでも何だかんだ言って佐田くんが究極に女にとっての理想の男子であることは間違いない。佐田くんはエリカの為に自分の人生を費やすことに決めたのだ。エリカは尽くしているようで、自分のやりたいことしかやっていない。佐田くんはエリカのやりたいことをやらせる為に、就職もしたしパパもやっているのだろう。やはり佐田くんは女にとって都合のいい男で、それが少女漫画としてこの漫画が成立している所以である。

だけどこの物語はエリカ視点の佐田くん幸せ物語だと改めて強調したい。エリカは実は佐田くんじゃなくても幸せになれるが、佐田くんはエリカじゃないと駄目なのだ。裏を返せば、エリカのようなタイプは幅広いタイプの男性から好かれるし、大抵の男子と付き合って上手く行く。それは持ち前の素直さだったり明るさだったりする訳だけど、佐田くんにはそれが無い。付き合うタイプを選ぶと言うより"信用出来る相手に巡り会えるか"がカギだからだ。

ここまで来ると感覚的なものなんだけど、相手が佐田くんに心を開くかどうかでは無くて、佐田くんが心を開ける相手かどうかなのである。だから彼はものすごく人を試す。けど気に入った結果を出した相手こそ疑うような、基本的に警戒心とプライドの高い人なのだ。自分のプライドを傷付けず、警戒も必要無い相手はそうそういない。だから、エリカが幸せになる確率より、佐田くんが幸せになる確率の方が低かった訳で、そんな佐田くんが幸せそうな最終巻を読んで「佐田くん良かったねぇ」と呟かずにはいられなかったのだ。

残念ながら映画化には興味はありませんが、本当に大好きな作品でした。テンポも良くて意外性もあって、パターン化しがちな少女漫画の中でも先が読めないオチが多かったです。最終巻はさすがにこうするしかないかって感じでしたが。

ドS男子漫画の中でも、理不尽じゃなくて一方的でもなくて、何気にいつも正論をぶちかましている佐田くん、本当おすすめです。

私に向かない職業。

10歳の時に初めて漫画を描いた。
読んでるだけでは物足りなくて、自分の物語を自分で描きたいと思った。
描けないとは思わなかった。
世の中にこれだけ漫画を描いてる人がいるんだから、自分にだって描けると思った。
実際、描けたし。
だから今でもやってやれないことはないと思ってる。
必要なのは気力とちょっとした道具だけ。

巧くやるには才能が必要かもしれないし、稼ぐには運も必要になるかもしれない。
でもただ描くだけなら誰にだってやれる。
紙と鉛筆だけで始められるこの趣味は、永らく自分を支えてくれてる。

"物語が創れる"事が、自分のアイデンティティの核になった。
10歳でこれを見付けられたのは、本当にラッキーだったと思う。
良い意味で自分を見失ったことが無い。
だからブレない。
色んな事がある人生だけど、物語を書くことさえ出来れば幸せで、だからこそ、そこが私の最大の弱味でもある。

必然的に本の装丁など、自分でデザインすることも出来るようになった。
最初の仕事でワードアートでポスターを作る事が多くて、更にラッキーな事に美術の先生の資格を持ったアルバイトさんがいて、CGのテクニックはほとんどその人に教わった。
ワードアートでもグループ化や反転を駆使すれば、かなりカッコいいポスターが作れる。

だから次の職場でもポスター作成を頼まれた時に、テーマに合ったデザインで"自分が"カッコいいと思うものを作った。
水族館がテーマだったから、水面に白抜き文字が浮かぶような、クールなやつだ。
ところが、その時の上司がトコトン美意識の合わない奴で「ポスターには3色以上使わないで」とか言うのだ。
おそらくスーパーのPOP作成術でも読んだのだろう。
上司と言えどもクライアントであるから、私はこの時「嗚呼、クリエイターには向かないな」と思った。
好きに作品を作ることは楽しいけれど、誰かに求められたものを作ることには不満しか抱けなかったのだ。

今の仕事に就いて、デザインとは程遠い仕事に就いたと思ったけれど、やっぱりちょっとした書類のレイアウトなんかに自分を出してしまう。
特にメールの署名なんかは、あの大小の丸や点でキラキラした囲みが大嫌いで、シンプルな破線にしてしまったりして。

そんな私に何の因果か、再びデザインの仕事が回ってきてしまった。
今いるデザイナーが辞めさせられることになって、その御鉢が与えられようとしているのだ。
フォトショとイラレとCADを使えるようにしてきて!とスクールに通わせられた。
ラッキーだ。誠にラッキーだ。
 デザインは好きだし、独学だったソフトもちゃんと基礎から教えてもらった。
でも、メールの署名にあんなキラキラを並べるこの会社と、自分のセンスが合致するとはとても思えない。
きっとまた使えるソフトで"誰かが"作りたいものに近いものを作らされて「ちょっと違うけど、まあこれでいい」と言われるんだ。
嫌だなぁ。そんなに言うなら自分で作れよ。
でも仕事でそれを言うわけには行かない。
求められたベクトルで、求められた以上のクオリティを叩き出すのがプロの仕事。

前の職場でもやってたんだけど、求められたポスターとは別に、自分で好き勝手作ったポスターも平行して作ってたんだよね~。
もう捌け口がないとやってられなくて。
でも今はそんな時間無いかなぁ…。

雑誌に載ってた言葉を思い出す。
1時間かけて100%のクオリティの書類を出す人間より、1時間で80%の書類を2つ出せる人間の方が、会社では評価が高い・と。

そうなんだよねぇ。
適当に整えたシートをコンスタントに出せば良いのだ。
そこに"自分"は要らないのだ。
と、言い聞かせて寝よう。
この気持ちも物語に託せばいいのだから。

幸せの定義。

自分が幸せであることを、他人に伝えることは難しい。
例えそれが自身の親であっても、いや、親だからこそ難しいのかもしれない。
そこにはきっと"自分達以外に子供が幸せになる術はない"という、親のエゴなようなものが見え隠れするから。

繰り返し繰り返し「幸せになって欲しい」「幸せであればそれでいい」と言われて、まるで今の自分が不幸みたいではないかと、我が親ながら呆れる。
子供もいない、離婚もした、友人と呼べる人もいない。
でも仕事はある、受け入れてくれた両親もいる、一緒に暮らしてくれる彼氏もいる、これ以上どう幸せになれと言うのか私には分からない。

「十分幸せだ」と口にしたところで強がりにしか聞こえない。
でも本当に幸せなのだ。
結婚・子育てという足枷から、彼は私を救い出してくれた。
相手の親の介護や、親戚付き合いもしなくていい。
ママ友問題や子供のあれこれに自分の人生を踏み荒らされる心配もない。

すべての女性の幸せと私の幸せが同一であるとは思わない。
そんなの当然だ。
すべての人間のすべての幸せは個々であり、同一視されるべきものではない。
中には幸せを"共有"したいと考える者もいるだろう。
しかしそれは傲慢だと自覚すべきである。
その上で共有を望むのであれば、他人の不可侵領域に踏み込まないことを前提とすべきだ。

さて話が反れたが、結局のところ、言葉を尽くしても自分が幸せであることを証明することは難しい。
相手の目から見て「幸せそうだな」と思ってもらう他ないのだ。

嗚呼、面倒くさい。

40過ぎて、適当に働いて、一日の終わりに好きなだけ漫画を読んだりゲームをしたりドラマをみたりして、これのどこが不幸せな娘なんだろうか。

知っておきたい初めての賃貸契約【2】

アパートやマンションを借りる時、決め手は駅近?家賃?間取り?
それらももちろん大切ですが、入居中・退去時のトラブルはけっこうあるもの。
「知ってれば損しなかったのに!」「入居前に確認すれば良かった」と後悔しないための、仲介業者が教えてくれないポイントをまとめてみました。

2 設備の不具合は全て家主の責任

入居時に備わっていたもろもろの家電や家具・内装はその部屋の“設備”と呼ばれます。
そしてその設備は全て家主の持ち物です。
なので例えば設備のエアコンが急に使えなくなったとか、トイレのタンクから水漏れしてるなどの場合、自分で電気屋を呼んだり水道屋を呼ばずに、物件を紹介した仲介業者や家主に報告しましょう。貴方に過失が無ければ、修理費用は家主が負担することになります。その代わり素早い問題解決は期待出来ませんので注意して下さい。間に人が入るぶん、対応してもらうには時間が掛かります。
もしどうしてもすぐに直したいなら自費を覚悟で設備屋を呼ぶのも手ですが、後々のトラブルにつながる事が多いのでおすすめ出来ません。
家主を通す場合には、いつも決まった業者に頼む事が多いので、建物の構造をよく理解したり、余計な工事が付随しないというメリットがあります。もし貴方が依頼した設備屋が行った工事で、建物全体の不利益を被った場合には多額の賠償問題にまで発展しかねません。また、よくテレビのCMなどで見かけるフランチャイズの設備屋は歩合制であることが多く、一ヶ所の工事にあれこれと別の工事を乗せてくることが間々あります。自分の知識に自信が無ければ太刀打ちすることは到底難しいです。ですから最初に"自腹を覚悟で"と前置きさせていただきました。

設備トラブルは自分で解決せず、まず仲介業者や家主に相談することです。入居を決める前にまず「トイレが流れなくなったらどこに相談すればいいですか?」など、確認しておくのも良い方法です。

知っておきたい初めての賃貸契約【1】

アパートやマンションを借りる時、決め手は駅近?家賃?間取り?
それらももちろん大切ですが、入居中・退去時のトラブルはけっこうあるもの。
「知ってれば損しなかったのに!」「入居前に確認すれば良かった」と後悔しないための、仲介業者が教えてくれないポイントをまとめてみました。


1 その部屋は家主の持ち物である

初めての賃貸で意外と見落しがちなのがこれ。
「そんなの分かってるよ。だって借りてるんだし」
と思うかも知れませんが、ベランダの物干し竿一本、照明の紐一本まで家主の持ち物だと意識したことはありますか?
よく“入居前に傷や不具合を控えておく”と言いますが、実際はどの程度まで控えて置けばいいのか分からず、何となくフローリングのへこみを見付けて写真におさめてみたりしたというような人が大半だったりします。
実は賃貸では“退去時に入居時と同じ状態で家主に返す”のが鉄則なので、自分がどんな状態で部屋を借りたかがとても重要なのです。
フローリングのへこみも貴重な資料になり得ますが、もっと重要なのは照明はついているか、エアコンはついているか、洗濯用蛇口に器具やホースはついているか、備え付けの冷蔵庫に付属品はあるかなど、全体的な部屋の状態を写真に残しておくことです。
入居時の状態で部屋を返すということは、照明が無い部屋であれば退去時に照明を外して返すということです。
「照明なんてあった方が便利だから残していったほうが親切なんじゃない?」
と思う方はとても多いですが(エアコンもそうです)残して行く場合には事前に持ち主である家主の了承が必要になります。
喜んで了承してくれる家主もいますし、残して行くなら処分代を出せと請求してくる家主もいます。
【入居時の状態で退去する】ということをよく覚えておいてください。

女は怖いよ。

先日、新しい事務の正社員の女の子が入ってきた。
当初、かの女ボスも「彼女気が利くし良さそうじゃない」と好感触を示していたし、サブリーダーのAさんも「(教育係の)Bさんも何にも言ってないから、いいんじゃないかな」「なんか問題があったらすぐに愚痴るからねー、Bさんは」などと、おおむね好意的に受け止められていて、横で聞いていた私は(どうせ私は気も利かなくて、Bさんにも愚痴られていたんだろうよ…)とブラックモード全開でキーボードを叩いていた。

しかし新人のWさんが、ある日体調不良で早退したのだが、その理由が悪かった。

「病院に行ったら軽い熱中症と診断されたので、明日もお休みします」


……
………熱中症?

この寒いくらいクーラーが効いている事務所で?!

結果的に彼女は一週間仕事を休んだ。

それでなくとも、うちの会社は名前を覚えるのも馬鹿馬鹿しくなるくらい人が入れ替わる会社なので、事務所内は一気に雰囲気が暗転した。

熱中症とかありえないよね」
「休むって電話も、わざとらしくすごいハァハァしてるの」
「もう来たくないならこんなことしないではっきり言えばいいのに」
「元々なんか、仕事頼んでも返ってくる質問が意味分からなくて」
「普通○○って言ったらしないじゃん。でもすごい数えたりして、ちょっと変わってるなって思ってたんだよね」

最初の好印象はどこへやらとはまさにこの事で。

翌週から彼女は復帰した。すごく頑張っていたから、一度落ちた評価を取り戻そうと必死だったのだろう。この頑張りなら再評価される日も近いんじゃないかと思わせる頑張りっぷりだった。

しかしながら教育係Bさんの告げ口により、彼女はやはり退職することとなった。まったく人材ってやつをなんと軽く見ている会社だろうと思う。経費削減と言いながら、人材費ひいては教育費をどう考えているのか、いつか社長に訊いてみたいものだ…それはきっと辞める時だろうけど。

Wさんが辞めて良かったことと言えば、反比例して私の評価がちょっとだけ上がったことだ。要は「仕事は遅いけど、多少なりとも仕事を覚えて対応してるだけまし」であり、これ以上辞められても困るからちょっと優しくしてやるかという一時的なものだけれど…。

なかなか後輩が増えないので、自分の仕事が一向に減らない。

そして「こんな会社で働き続けられてる自分って実はすごいんじゃないか」と思っている。