*Complex+Drive*

勝手に上から目線の、真っ黒な。

高学歴女子の言い分。

年下の上司に呼び出されて
「なんでそんなに仕事が遅いの?」
と優しい口調でたしなめられた。
学生時代のアルバイトから数えれば
20年近い私の仕事人生で初めての経験である。

これまで4つの職場を転々としてきたが、
概ね自分の仕事に対する評価は上々で
短期間で責任者としての仕事を任されて来た。
それが何故ここに来て“仕事が出来ない人”の
烙印を押されることになったのか。
いい年して、悔しくてこっそりトイレで泣いたのは
ここだけの話だ。

上司の言い分はこうである。
新しい業務(A+B)に移行してもらうに当たって
3ヶ月Aの業務、1ヶ月Bの業務を教えてきた。
そして今週に入ってから本来の業務であるA+Bを
実践してもらっているが、連日残業するように
なったではないか。
これはいったいどういう事か。
前任者と同等の期間を与えてその半分の作業も
時間内に進められないのはあなたに問題が
あるとしか思えない。
という訳だ。

個人的な心証としては、完全に自分に回ってくる
仕事量がキャパを越えていて、定時に上がりたいのは
山々なのだが、とても煩雑で時間内に終えられないのである。
しかしそれをそのまま伝えるのも敗北を認めたようで
癪なので、優等生らしく「~といった工夫を自分でもしているが
なかなかそれが成果に表れない」と答えたのが更に
気に入らなかったらしい。
とにかく私の仕事全体のペースを上げる以外にないという
どうしようもない結論に終わった。

改めて盛大な言い訳をさせていただこう。

現在の職場は基本ギャルしかいない。
勉強が嫌いで、興味はファッションと恋愛のみ。
行き当たりばったりで、深く考えない。
挙げ句ほとんどがリアル妹なので、わがままで
甘え上手、やりたくないことは平然と人に頼む。

一方私は小さい頃から成績だけは優秀で、勉強が得意。
更に長女としての性格も相まって、何でも一人で
こなそうとする癖がある。
人に頼むくらいなら自分でやった方が早いという考えだ。

私は以前から今の会社の“仕事の教え方”に不満がある。
全体を説明せずに、まずは直近の指示を飛ばすのだ。
「一行目に○○と書いて…それが終わったら△△をここに書く」
と言った教え方だ。
私がこれまで所属していた会社の中でも一番の最悪の教え方である。
“部下の教育マニュアル”には古今東西「やってみせ」が第一声で
あるからだ。
完成形が見えないまま、いきなり実践させられ、間違えば指摘される。
ギャルたちにとってみれば、自分達もそう教えられてきたし、
「わからないことがあったら聞けばいいじゃん」というスタンスなのだ。
高学歴女子はプライドが高いので、まず人に聞くのが苦痛だし、
実際彼女たちは気分屋なのでいつでも気前教えてくれる訳でもない。
機嫌が悪ければ「質問の意味がわかんないんですけど」と逆ギレ
される始末。
更にこの問題の根深いところは、意識無意識に関わらず
勉強の出来ないギャルは頭のいい女子をどこかでバカに
したがっているし、優等生女子だって彼女らをどこかで
見下しているという、永遠に相容れない心根があるところだろう。

そう、ギャルの巣窟に身を投げてしまった時点で私は敗北していたのだ。

仕事に勝ち負けもないだろうというのはわかっているし、
仕事にスピードと正確さの両方を求められるのも当然だ。

ただ、優等生女子としては見たことも聞いたこともない部材を
右から左に発注して問屋から問い合わせを受けるのも腑に落ちないし、
自分のペースで物事が進められないことに苛立ちを覚える。
基本勉強は範囲が分かっていて、それに合わせて自分のペースを
形作っていくものですからね。
お勉強ばっかりやってくると、なかなかにその辺の融通が
効かないんですなー。
いや、もう八つ当たりなんですけど。
ほぼほぼ全力でやっても終わらない自分が悔しくて
泣いただけなんです。反省などしていない。

明日も終わらなかったら「全力でやったけど無理でした」って
開き直ってきます。
思い入れもない会社だから別に辞めさせられたっていいしさ。

落ち込む年末。

年末。
しばらく顔を出していなかったオンラインゲームでも進めようかとログインしたが、何だか心が折れてしまった。
オンラインゲームはマラソンだ。
当然休んでいた私と、その間もずっとゲームを続けていた人たちとは大きな差がついていて、挙げ句、自分の遥か後方にいた人たちが私の前を走っていた。
何だかやりきれなくて、もうとても追い付ける気がしなくて、何も言わずアカウントを消してしまおうかと、昨晩は小一時間布団の上でごろごろしていた。
悩まなくてもごろごろしている年末なんだけど。

自分は本当に何もかも中途半端で、最後までやり遂げたことがない。
シュミレーションゲームのCGコンプがせいぜいぐらいで、それだって数える程度にしか達成していない。
ゲームなんて楽しみ方は人ぞれぞれなのだから、フルコンプを目的としなくても、好きなキャラだけでも攻略すればそれで良いとも思うけれど、私の周りにはとことん楽しむ人が多い。
それもものすごい集中力で、とても効率の良い方法で、でもネットに頼らない自分の方法で。
そういう人と同じ時にゲームを買って、ネットで出回ってるスキルをコピーしてだらだらプレイしている自分を思うと「やってる意味あるのかな」と感じざるを得ないのだった。

おそらくこれは自分の中の“お山の大将”癖が悪く関係していて、要は自分がある程度上にいないと気がすまないからなのだ。
ぶっちゃけ自分はそのゲームがそれほど好きではなくて(もちろん周囲に関係なく好きで続けているゲームだってあるけど)そこでなら多少頑張れば上に立てるかもという甘い見込みあっての踏み台なのだ。
多少頑張ればというのがまた曲者で、自分の生活のリズムをある一定以上邪魔しない範囲で取り組んだ場合、という前提が付いている。
本当に、本当に、自分はどうしようもないダメ女で甘ったれで、何一つまともにできないアラフォーなんだと、また改めて考える年末になってしまった。

ちやほやされたい、誉められたい、けど努力はしたくない。今の自分を認めて欲しい。

こんな気持ち中学生くらいで卒業したかった。けど何だかんだこの年までついて回ってくる。

周囲は変えられない。変えるのは自分自身だというのはよく見かける自己啓発だけど、どうやって変えたらいいかもわからない。
だからこんな自分を諦めて折り合いをつけていくしかない。

2年以上も頑張って続けてきたゲームだけど、衝動に駆られていつかアカウントごとばっさり消してしまうときが来るかもそれない。
それでもそれが自分だ。何もできない自分、最後までやりとげられない、無意味なプライドだけが厄介な友達である自分。
もうそれでいいじゃないか。

仕事納め。

実質1ヶ月振りの土曜休み~と思っていたら、容赦なく会社の大掃除に呼ばれました。

こんにちは。ゆかです。

よく言えばアットホームな、ぶっちゃけワンマンな今の会社には不満な点がいくつもありますが、こういう時に仕切る人がいないのも面倒なところ。

「さぁ始めましょう」

と集められて、あとは各々空気を読んで掃除開始。
ぱっと自分の居場所を確保出来ないと、あっという間にサボってる人のようになってしまうのだ。
それも“全員参加”だから人もごちゃごちゃ。まったくもって効率が悪いなぁと思いながら適当に参加してきた。
すべての窓を開け放して3時間も掃除させられてたので、未だ体の芯が冷えたままだ。勘弁して欲しい。

そんな恨み辛みもひととき忘れて引きこもります、そうします。

乙女のロジック。

さて明日はドラマ『今日は会社休みます』が無い水曜日である。
世間では“田之倉ロス”という単語が出回るほど、今期のドラマの中では好評だった当作品であるが、果たして手放しで「満足した!」「良かった♪」「Blu-rayBOX買うわ~」などと思える最終回であっただろうか?
否、私のように「…あれ?」とある意味期待外れだった人の方が多いのではないだろうか。

この一週間だらだらとこのもやもやの原因について考えてみたのだが、やはりこれは乙女ゲームのセオリーに準じなかったことが一番の問題ではないかと思われた。

ドラマ『今日は会社休みます』は実にベッタベタのコッテコテの、良くも悪くも定番のジャパニーズラブコメディーであった。
最終回は10分拡大して丁寧に“一年後”のテロップが入るくらい分かりやすい最終回だったのだ。
しかし肝心の中身はと言うと、10分の拡大など不要では?と思えるくらいスカスカで、挙げ句消化不良を起こすくらい足りないものだった。

田之倉くんは乙女ゲームの攻略対象よろしく、女にとって都合のいいキャラクターとして描かれていたように思う。
年下でかっこよくて背が高くて、抱き締めて頭をぽんぽんしてくれる、朝ごはんを作って起こしてくれる。
適度に草食系で適度に肉食系。
最近のドラマには珍しいくらい特徴がないのが特徴な優等生キャラ。
主人公:花笑のモノローグで綴られる本作は、乙女ゲームのようなファンタジー性(現実離れした、処女的な)を持って、我々視聴者をドキドキさせてくれていたのである。

そんな乙女ゲームでは定番なのに、このドラマの定番になかったものとは何か。

それは“田之倉くんの独白”だと思う。

乙女ゲームのハッピーエンドルートが確定すると、これまで寡黙だったキャラクターも一気に主人公への愛を語り出す。
「キミのこんなところに惹かれた」「あの時の貴女の一言に私は救われた」等々。
これまでの回想も絡めて“どうして彼が私(主人公)を好きになってくれたのか”が明るみにでるのである。
私たちはきっと、田之倉くんの花笑に対する愛の言葉をもっともっと聞きたかったのだ。
なのに「そのままの君でいいから結婚して」と言って来たのは朝尾さんだった。
それはそれで“イケメン二人に挟まれた主人公”というこのドラマの醍醐味ではあるのだが、田之倉くんの甘~い台詞を期待していた私たちにとっては、結局田之倉くんから聞きたい台詞を聞けないまま終わってしまった訳だ。

いきなり話は変わるがドラマ『Nのために』を一緒に観ていた母親が

「女ってどうしてこう『この人と一緒になれば幸せになれる』って分かりきってても、面倒くさい男の方を選ぶんだかねぇ…」

と呟いていたが、これは『今日は会社休みます』にも当てはまる。
朝尾さんははっきりと「そのままの君でいい」「好きにしていればいい」と言ってくれていて、実際気の置けない関係なのだからこれほど魅力的な申し出はないだろう。
それでも色々な意味で苦労しそうな(義理の母親が料理研究家だなんて、例え鈴木杏樹だろうと私はまっぴらごめんだ)田之倉くんと結ばれたいと願ってしまう乙女心。
クリスマスイヴに最終回を合わせてこなかったのも、何だかとっても不思議な気がするのである。



鞄がとっても重いのは。

Vitaと3DSLLが入っているから。

こんちには。ゆかです。

彼氏の家で彼の帰りを待ってる間、Vitaで録り溜めたドライブを観ながらモンハン予定。そうするとこういう荷物になる。
鞄を預かってもらったネイリストさんに「鞄重いですね!」と言われても理由を説明できない。
「年末年始は録り溜めた番組を片っ端から消化します」と言ったら「何をそんなに録ってるんですか?」と聞かれて「ガンダムビルドファイターズ」「Gのレコンギスタ」「ガロ」「寄生獣」とは答えられず、「バラエティー番組です」と切り返すあたり、ちょっとはカモフラージュが上手くなったかなと思う。

もう20年以上もヲタクをやっているが、今人生初のオタバレ阻止に取り組んでいる。
自分は別に聞かれたら素直に答えようと思っていたんだけど、アニメ業界で働いている友人に「普通の会社に勤めてる友達は皆ヲタク隠してるよ」と言われて衝撃を受けたのだった。
学生時代は小中高大と、ヲタクであることがアイデンティティーを支えていたし、コミュニティーの形成に役立っていた。
その後就職先もヲタクな業界を渡り歩いていたから、会話のきっかけと言えば「今何にはまってるんですか?」でどんな人とも盛り上がってきた。
だからそのツールを奪われた今、私は完全なコミュ障となってしまった。
会話の内容は分かっても、何故そこで笑うのか、何故そこで同調出来るのか、さーっぱり分からないのである。
しかしこう書くと、物書きとしてそれもどうと思えてきた。研究対象として彼女たちの趣味嗜好にも興味を示すべきかも知れない。

結婚に向かない女

会社の近くに住んでいる方が家庭菜園をやられていて、ご近所のよしみで時々野菜を分けてくれるのだが…。

罰当たりと言われても飢え死にしろと言われても仕方がないくらい、私は植物全般が苦手だ。

今日は大量の春菊を受け取ってしまいしまったと思った。うちの会社では受け取った人間が人数分野菜を仕分けることになっている。
私は泣く泣く土の付いた春菊を仕分けた。これほど無心で作業した仕事は無い。

結婚していた頃も、隣のおばさんがよく野菜を持ってきたので、笑顔で受け取り、片っ端から捨てていた。

美味しかろうが不味かろうが知ったことではない。私は葉が付いたものを触って調理がしたくないのである。

「嫌いなのか?」と言えば、別に調理されたものを食べるのは嫌いではないし、半分に切ってあるキャベツや白菜なら買えるし、栄養を考えて頑張って小松菜やチンゲン菜を買うことだって一応ある。
ただホウレン草や春菊や水菜、セロリなどは一度も買わなかった。ホウレン草だけは冷凍ものがあるのでそちらで済ませていた。
とにかく虫を見たくない一心である。

なのに農家に嫁いでしまったものだから(同居はしないで済んだが)旦那の実家に帰ると「裏からレタスを取ってきて」だの「ふきを見繕ってきて」なんて高度な業を要求されたものだ。
私はその度に旦那に助けを求めた(事前に苦手だから助けてと伝えていた)のだが、私が建前のお決まりの台詞で「でもせっかくだからやり方覚えておこうかな」という上辺の言葉を鵜呑みにされ「頑張って」と見送られ、本気で死ねばいいのにと思ったものである。だから離婚したんだけど。

案の定私が取りに行かされたレタスの上では元気よく青虫が歩いていて心底ゾッとした。そして私は食卓に上がったレタスに決して口を付けなかった。

だから私は出来れば一生飲食業界で働きたくないし、知らないままヤバイ食べ物を口にして、それを恨まず死んでいきたいと思う。

野菜も駄目ですが、花も大嫌いなので花束は捨てて帰ります。

女なら喜ぶと思われがちですが、ひとくくりでは行かないのです。


帰り道。

寒い。なんだって寒い。
暑くても寒くても、行き場のない怒りの感情がわき出るのは何故だろう。

日が暮れて、どんどん灯りが点いてゆく時間が好きだ。
マンションでも会社でも戸建てでもいいが、お店のように中が見えてしまうのはよろしくない。
中が見えないのに灯りだけが確認出来るというのが良い。
昼間には分からなかった人の息づかいがそこにはある。

灯りの点いた部屋を眺めて思いを馳せる。
仕事で疲れて帰ってきたのだろうか。帰ってきたくもない家という場所に引き戻されたのだろうか。
あるいはそこでまさに殺人が行われているのかもしれないし、高層のオフィスでは禁断のセックスの最中かもしれない。

透明人間になれたら、色んな家を優雅に渡り歩くのに、と灯りの点いた部屋を眺めて思う。
悪趣味だろうけど、どんなに素敵ないえや立派な会社でも必ず幸せとは限らない現実を目の当たりにしたい。
人を羨みたくない。幸せの寛大さを思いたい。