*Complex+Drive*

勝手に上から目線の、真っ黒な。

美学について。

“美学”と言うのは日本ではあまり馴染みがないだとか、学問として成り立っていないとか良く聞きますが、私は昔から良くこの言葉を使っていて、周囲にドン引きされたものです…。
「美学って…」みたいな。

思春期にはまっていた漫画家(漫画というより本人にはまっていた)高河ゆんの自伝本の項目にこの「美学」が上がっていて(というのもうろ覚えだけど) 「自分の美学に反するものはどうやったって受け入れられない」みたいなことが書いてあったのだ。
例えば「疲れてるから無理」「苦いから嫌い」というのは「疲れていないならやれる」「苦くなければ食べれる」とも言える訳で、好き嫌い・出来る出来ないは意外と紙一重だったりする。

でもこれらを美学に照らし合わせると、そこには受動的な影響はほとんど介入することが出来ない。矜持というべき“自分を作り上げている枠組み”みたいなものがそこにはあって、理屈が通らないのだ。

例えば、私は7歳の時に“一生吐かない”と決めて、以来本当に嘔吐したことがない。馬鹿馬鹿しい美学だけれど、本当のことだから仕方がない。基本的に弱味を安易に見せることを良しとしていなくて、ネガティブな姿勢を取りたがらない。してもらったことにケチをつけることもナンセンスだと思っている。まあ、外面が良くて腹黒いだけなんだけど。

価値観に近いものになってしまうかもしれないんだけど、この美学が合わないというのは決定的な決裂で、私はそういった相手とは距離を置くようにしている。あからさまな嫌悪を見せつける必要はない。ニコニコ笑って一方的に離れていけばいいだけの話だ。本なんかだと、たまにわざと美学の合わない作者の本を借りてきて「あーやっぱりこの人とは合わないなー」と上から目線で語ってみたりもするけど。

矜持とも書いたけれども、私は自分の美学が好きだ。例え下らなくても美学のある人の方が好きだ。それが自分の美学に反する美学だとしてもね。