*Complex+Drive*

勝手に上から目線の、真っ黒な。

結婚に向かない女

会社の近くに住んでいる方が家庭菜園をやられていて、ご近所のよしみで時々野菜を分けてくれるのだが…。

罰当たりと言われても飢え死にしろと言われても仕方がないくらい、私は植物全般が苦手だ。

今日は大量の春菊を受け取ってしまいしまったと思った。うちの会社では受け取った人間が人数分野菜を仕分けることになっている。
私は泣く泣く土の付いた春菊を仕分けた。これほど無心で作業した仕事は無い。

結婚していた頃も、隣のおばさんがよく野菜を持ってきたので、笑顔で受け取り、片っ端から捨てていた。

美味しかろうが不味かろうが知ったことではない。私は葉が付いたものを触って調理がしたくないのである。

「嫌いなのか?」と言えば、別に調理されたものを食べるのは嫌いではないし、半分に切ってあるキャベツや白菜なら買えるし、栄養を考えて頑張って小松菜やチンゲン菜を買うことだって一応ある。
ただホウレン草や春菊や水菜、セロリなどは一度も買わなかった。ホウレン草だけは冷凍ものがあるのでそちらで済ませていた。
とにかく虫を見たくない一心である。

なのに農家に嫁いでしまったものだから(同居はしないで済んだが)旦那の実家に帰ると「裏からレタスを取ってきて」だの「ふきを見繕ってきて」なんて高度な業を要求されたものだ。
私はその度に旦那に助けを求めた(事前に苦手だから助けてと伝えていた)のだが、私が建前のお決まりの台詞で「でもせっかくだからやり方覚えておこうかな」という上辺の言葉を鵜呑みにされ「頑張って」と見送られ、本気で死ねばいいのにと思ったものである。だから離婚したんだけど。

案の定私が取りに行かされたレタスの上では元気よく青虫が歩いていて心底ゾッとした。そして私は食卓に上がったレタスに決して口を付けなかった。

だから私は出来れば一生飲食業界で働きたくないし、知らないままヤバイ食べ物を口にして、それを恨まず死んでいきたいと思う。

野菜も駄目ですが、花も大嫌いなので花束は捨てて帰ります。

女なら喜ぶと思われがちですが、ひとくくりでは行かないのです。