*Complex+Drive*

勝手に上から目線の、真っ黒な。

オンラインゲーム

今日資格試験があって、ここ数ヵ月は申し訳程度ではあるが勉強していた。
集中力が無いため、やる気があれば1時間、あとは30分を目安にほぼ毎日コツコツやるのが私の勉強スタイル。
勉強が嫌になる程詰め込んだり、途中で飽きる程最初に飛ばしすぎたりしないのが大切。
その代わり勉強期間は長めに取る必要はあるけど。今回は3ヶ月勉強してた。

その資格試験が終わったのでオンラインゲームに復帰する。
つい最近まで2年程がっつり引きこもっていた。
週に数回数時間程度、半ば課金の為にアルバイトしていたものの、気持ちは完全に引きこもっていたし、実際ゲーム中心の生活で、食事もゲームしながらだし、お風呂もめんどくさくなり、ひたすらゲーム内の自演の虜になっていた。
私の場合の自演は“男を演じる”ことだった。自キャラを男にして、中の人も男としてゲームに参加している。
元々は女だとバレると上から世話を焼く男に付きまとわれると分かっていたので、防衛のために演じていたのだが、次第に中の人の設定に凝ってしまって、現役男子大学生のフリをすることにドはまりしてしまったのだ。まったくゲームにはまってなくてごめんなさい。

オンラインゲームの世界では、現実的立場と二次元的立場が逆転しているのが面白い。
ニートで引きこもりが最も羨望され、
平等に与えられた限りある時間を最大限ゲームに費やせる者が勝者となる。
例えば1日4時間しかゲームに費やせない人と、8時間出来る人がいたとする。
これが勉強なら、4時間多く勉強したとしても必ず成果が出るとは限らない。そもそも勉強の成果とは自己満足であるから、点数という形で表れても成果とは言い難く、評価が相対的になりやすい。
これが仕事だとしても、4時間多く働く者が勝者には決してなり得ない。時給だとしたらその時点で尚更である。

しかしオンラインゲームでは8時間を費やせば、それだけで4時間しかログイン出来ない人に勝てる。レベル・HP・攻撃力・スキル…誰にでも分かり良いシステムで上位と下位が明確なのだ。
そこには年齢も見た目も経歴も関係ない。
そして上位であるというだけで必ず賞賛され、羨望の言葉を掛けられる。
日常ですら面と向かって誉められることなど数少ないのに、だ。

ではオンラインゲームというところは、ニートで引きこもりの巣窟なのかというとそうでもない。
実際プレイしていると主婦とサラリーマンがほとんどだ。
みんな現実に疲れながらもゲームの時間を捻出し、束の間のファンタジーをお金で買っている。
何万人もの社会人がファンタジーに半ば依存しながらも働いていると思うとそれはそれで切ないが、現実で失った自信や達成感や自由を取り戻すツールが増えていると思えば、価値観が広がっているともいえる。
私はと言えば、自演ももちろん楽しいけれど、たくさんの人の人生が垣間見れるのが一番面白い。当たり前のことだけど、画面の向こう側には相手がいて何かの縁で同じベクトルに向かってる。普段繋がれないような相手とも目的を共有出来る。そこに一番の魅力を感じて今日もログインする。
“今日”も何かに満足して終えられるように。